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25/11/06

広報・PR

 AIが変える広報・PRの未来

25/11/06

 ―経験ゼロでも、外部委託なしでも戦略的PRが実現できる時代へ

「プレスリリースを書くのに3時間かかる」「メディアにどう提案すればいいかわからない」「PR会社に頼むと高額で、社内の情報共有も難しい」―― そんな広報担当者の悩みを、AIが根本から解決する時代が到来しています。

30年にわたるPR業界での経験をもつ松本淳が広報・PR活動に特化したAIエージェント「ネタマッチAIエージェント」を開発。

AIを活用することで、経験や知識がなくても、外部のPR会社に頼らずとも、企業が自ら戦略的な広報・PR活動を実践できる環境を実現しました。

(エムスリー・カンパニー代表取締役社長・兼・PRオートメーション株式会社 代表取締役社長)

本記事では、松本氏がウェビナーで語った内容をもとに、AIが広報・PRの世界にもたらす大きな変化をご紹介します。

広報・PR活動の大半を、AIに任せられる時代

プレスリリース作成が「3時間→3分」に

従来、プレスリリースの作成には熟練者でも3〜4時間、慣れていない担当者なら丸1日かかることも珍しくありませんでした。しかし、ネタマッチAIエージェントを使えば、商品説明資料を読み込ませて「よろしく」と入力するだけで、わずか3分でドラフトが完成します。

プロが見ても人が作ったのかAIが作ったのかわからないくらい、クオリティ高いものができます。文章はほとんど直さないで済むぐらいです。

メディア提案メールも3分で自動生成

自社や商品をどのメディアに、どう提案すればいいかというメディアプランニングや提案メールの作成も、AIが担当します。

例えば、当社のスタッフでも1つのメディアにメールで提案するのに、30分ぐらいかけていますが、それが3分でできます。しかもある一定のクオリティで出せるので、非常に助かるし、メール開封率も20%くらいから80%くらいになっています。

守りの広報業務も効率化

攻めのPR(プレスリリース配信、メディア提案など)だけでなく、守りの広報業務(取材対応、危機管理対応など)もAIに多くを任せられます。現在は4つの守り広報に活用できるAIエージェントが用意しており、広報業務全般をカバーしています。

AIを活用することで、よりクリエイティブなPRが実践できる

作業時間を削減し、戦略立案に集中できる

攻めのPRはクリエイティブな仕事、守りのPRは作業が多くなります。AIに作業を任せることで、広報担当者は本来注力すべき戦略立案やストーリー設計といったクリエイティブな業務に時間を使えるようになります。

PR戦略もAIが自動提案

ネタマッチAIエージェントは、商品名を入力するだけで、PRバリュー(ストーリー性、意外性、新規性、市場性、拡散性)を分析し、最適なPR戦略を提案します。

例えば、コーヒーやお酒に使うロックアイスの事例では、従来のように冷たい飲み物を楽しむだけでなく、AIが「ペットの熱中症対策」という社会的トピックと結びつけ、「人間のために作られたアイスで、今やペットの命を助ける」というストーリーを自動生成しました。

情報整理・分析・仮説構築をAIが担当

PRの仕事で重要なのは、情報の整理・分析と仮説作り(推論)、そして文書作成。これらすべてをAIに任せることで、少ない人数でも、経験がなくても、戦略的でクリエイティブな情報発信ができるようになります。

外部のPR会社を頼らず、広報・PR活動を内製化できる

PR会社の「ブラックボックス」を解消

従来、PR会社に業務を委託すると、「どのメディアに、どう提案して、どんな反応だったのか」がクライアント側には見えない、ブラックボックス化しているという課題があります。

PR会社がサービス提供側主導になりがちで、フェアな関係性とは言えませんでした。

企業が主導権を持ってPR活動を展開

ネタマッチAIエージェントを使えば、企業自身がPR戦略を立て、プレスリリースを作成し、メディアに提案できるため、外部委託に頼らず内製化が可能になります。

仮にPR会社を併用する場合でも、AIが作成した戦略やコンテンツをもとに「こう動いてほしい」とオリエンテーションできるため、企業側が主導権を持てるようになります。

経験・知識がなくても、広報・PR活動が実践できる

新卒でも最小限の教育・指導でプロレベルのPRが可能に

当社でも、今年の新卒がネタマッチAIエージェントを使って、非常にうまく回せています。

AIがPRの専門知識、思考を補完してくれるため、経験ゼロの担当者でも、先輩や上司の指導や教育は最低限で、すぐに実務レベルのPR活動を実践しています。

機密性と正確性を担保しながら、最新情報も活用

一般的なChatGPTやClaudeなどのLLM(大規模言語モデル)の生成AIとの違いは、企業の機密情報を暗号化して保護しながら、外部の最新情報も取り込める点です。

広報・PRの「革命」と「民主化」が始まっている

私はAIの出現で「広報・PRの革命」とその後に「広報・PRの民主化」が起こると考えています。

経験や知識、実績がなくても、人材や教育体制がなくても、時間とお金をかけずに

PR会社などの専門会社を頼らずに事業会社が自ら広報を実践できる時代がきています。

①広報・PR活動の大半をAIに任せられる(プレスリリース作成、メディア提案メールなど)

②AIを活用することで、よりクリエイティブなPRが実践できる(作業時間削減→戦略に集中)

③外部のPR会社を頼らず、広報・PR活動を内製化できる(企業が主導権を持てる)

④経験・知識がなくても、広報・PR活動が実践できる(新卒でもプロレベルのPRが可能)

これまで、広報・PR活動は「専門知識が必要」「外部委託が前提」「時間とコストがかかる」というイメージがありました。しかし、AIの登場により、誰でも、どこでも、すぐに戦略的なPR活動を実践できる時代が到来しています。